(記者 黄競競)信訪(投書・訪問)受付は「天下一の難題」と言われている。でも、どんなに難しくても、やるべき仕事はやり通すしかないという強固な意志と団結力を、静安区信訪弁(投書訪問受付弁公室)は持っている。グループメンバーは協力し合って、助け合って、責任を分担しながら心を一つにしている。彼らはいつでも人民大衆の「気心が知れた友達」としての自覚を持って、投書を家族からの手紙とみなし、訪問してきた人を家族とみなしている。
信訪受付は社会安定の風向計であり、世論の晴雨計でもあると、区信訪弁主任の柯琪が「グループリーダー」として考えている。「我々の義務は党の趣旨をしっかり覚え、人民を中心とする発展思想を堅持し、心と感情を込めて、知恵を出して信訪受付を行い、あらゆる手を尽くして人民の問題を解決してあげることである」。聞くところによると、「撤二建一(もとの閘北区と静安区を撤廃し、新しい静安区を設立する)」が始まった以来、区信訪弁は延べ4万人あまりの来訪民衆をもてなし、先頭に立って矛盾を何百回取り除き、党委・政府と民衆の間の絆を築いた。
力を入れて本当の困難を解決する
胡さんは1960年代の上海名門大学出身で、国家に重大な貢献を果たした。退職した後、子どもを持つこともない彼は上海に帰って住んでいるが、ガンを発症したため、生活が継続できない状況に陥った。仕方がなく、彼は区信訪弁に投書して助けを求めた。関連政策に応じる扶助を受けて、彼の苦難に満ちていた生活はかなり改善された。同時に、信訪弁グループは胡さんを党支部の提携扶助対象にして、自腹で彼の家のドアと窓を改装してあげた。また、グループメンバーは時々お米や調味料などを持ちあげ、「仕事に終わりがあっても、よしみに終わりがない」という趣旨を実行した。もちろん、これらも全部自腹である。胡さんは国家と党組織の実際的な気遣いに感心して、感謝の手紙を何度も書いた。
一年前、中三学生の田欣(プライバシー保護のため、本名は伏せられている)は思いがけない出来事に遭遇した。父親が突然亡くなって、そして母親も家を出て行方不明となったため、残された田ちゃんは戸籍登録できず、高校入試にさえ参加できなくなってしまった。彼女はまだ学校で勉強したいという、たった一つの願いを手紙に書いて、区信訪弁に送った。区信訪弁は即座に区教育局、区民政局、団区委などの部門に連絡を取って、苦境に陥る少女を扶助する小さな「連盟」を結成し、転々としたあと、田欣の戸籍と後見の問題をうまく解決した。一年後、田欣は合格ラインを30点以上も上回った入試点数を出して、見事に市重点高校に入学した。彼女を助けた人たちにとって、これはまさに最高の報いであった。信訪弁はなぜごく一部の特殊な事案にこんなにたくさんの時間と力をつぎ込んだのか、と、人に聞かれたとき、「我々にとって、困難が多い事案に多くの力を投じ、各部門と協力して、苦しんでいる人の実際的な問題を解決するのは当然だ」と、柯琪は答えた。
力を合わせて住民のトイレ問題を解決する
北京西路には、レンガと木で造られた三階建てのオールド洋風家屋が一軒ある。この百年以上の歴史を持つ建物は市人民政府に認定される「優秀歴史的建物」で、2017年にさらに静安区人民政府の「歴史保護建物修繕」実務プロジェクトの修繕対象になったことで、区房管局(住宅保障と建物管理局)の委託により、歴史保護建物修繕の専門機関が修繕計画を立ててあげた。
今回の修繕は民生の改善で、その家屋の住民のためになるはずだったが、2017年6月、5名の三階住民が区信訪弁に苦情を訴えに来た。スタッフが聞くところによると、当該家屋の三階には12世帯も住んでいたけど、トイレは一つの旧式トイレしかなかった。今回の修繕をきっかけに、住民たちは衛生施設の改修を強く願った。生活改善に関する改修が建物の重点保護部分と特徴的なインテリデコレーションに影響を及ぼさないように、区信訪弁は区房管局、不動産業者などの部門と検討を繰り返して、問題を解決するプランを複数提出した。改修を通じて、トイレは3倍に増え、住民みんなから褒められた。
信訪受付の「源」までさかのぼる
民衆の投書と訪問は、実は多くの共通問題を反映した。例えば、去年、一部の医療器械・産品販売業者が医療器械治療サービスの無料体験という宣伝を掲げ、高額の医療器械産品を押売して老人のお金をだまし取って、その悪質な行為は莫大な社会影響を与えた。
区信訪弁グループは投書を通じてその現象を気づき、一緒に討議して、このことがもはや民衆の利益に密接に関係していたと判断した上、「人民建議」という形にまとめて市信訪弁に報告した。市委主要指導者の指示を受け、市工商局(工商行政管理局)は市食薬監局(食品・薬品監督管理局)と連合して『老年保健食品違法押売の専門処罰プロジェクトを踏み込んで展開する工作方案を通達することに関する通知』を発表した。老人狙いの保健食品違法押売り行為は有効的に抑止された。2016年から2017年まで、静安区信訪弁が報告した「人民提案・建議」に、市指導者は相次いで8回の重要指示を下した。さらに、その中の3つの提案と建議は市優秀建議として選ばれた。ずっと以前から、区信訪弁は民衆の意見を政府戦略作成の参考に変えることに力を尽くし、民衆の悩みを解消し、民衆の意見に耳を傾け、人心をつかみ、信訪受付の「源」までさかのぼった。
党と人民が彼らを必要とすれば、彼らはいつでも全力を尽くす。民衆の利益を実現させることであれば、彼らはいつでもたゆまず働く。「信訪は毎日火を消す『消防隊』ではなく、政府と人民の間の架け橋になるべきだ。民衆の提案と建議を集めて、報告して、戦略作成のために参考を提供することこそ、信訪の真の働きだ」と、柯琪は話した。