赤色の血脈をつなぎ、卓越した市街地を建設・新華社記者による上海市静安区委員会の于勇書記インタビュー 
原稿発送の期日:2022-09-07 訪問回数:

1922年7月に開催された中国共産党第2回全国代表大会(以下、「第2回党大会」という)では、中国共産党初の党章が採択された。第2回党大会の開催地は、上海市静安区の境内にある。百年の歴史を持つ第2回党大会と党章は、永遠に色あせない赤色遺伝子であり、生々しく絶えることのない赤色血脈である。

 

静安区は上海市における党の初期活動の中核地域であり、豊富な赤色資源を有している。いかに赤色の血脈をつなぎ、偉大な建党精神を発揚するか。新たなスタート地点に立った以上、何をすれば多くの静安人が事業に取り組む決心をリードし、革新・発展のために強大な力を結集するか。これらの問題をめぐって、新華社記者は静安区委員会書記・于勇氏にインタビューした。

 

市街地の赤色雰囲気は、静安区に浸る

繁華街では、灰白色の石庫門の建物が緑の木々を背景に荘重で静謐なたたずまいを見せている。建物は無言だが、どの部屋にも、どの廊下にも、波乱万丈な赤色の物語が隠されている。

640.jpg

7月19日、学生と保護者は中国共産党第2回全国代表大会跡記念館に入り、見学する。撮影:新華社の記者・劉穎

ここは第2回党大会の開催地で、旧・輔徳里625号である。1922年7月16日から23日まで、第2回党大会がここで開催され、建党初期の一連の重大問題が討議、研究された。

「会議で最初の党章が誕生し、初めて党の民主革命綱領、初めて党の統一戦線思想などが打ち出され、第1回党大会とともに建党を成し遂げた。党の歴史上で重要な一里塚である」と、于勇は述べた。

今、多くの感動的な赤色物語が、中国共産党第2回全国代表大会跡記念館で一つ一つ語られている。記念館には党章ホールが設けられていて、党章展示の壁が赤く、時期によって異なるバージョンの党章が展示されている。インタラクティブ装置は第2回党大会で誕生した複数の「初」を際立たせる。完全に修復された百年歴史のある石庫門は、見学者に会場で歴史の姿を探ることができた。

第2回党大会の開催地を中心に、いたるところに赤色ランドマークが点在している。上海毛沢東旧居陳列館、中国共産党中央軍事委員会機関旧趾記念館、中国共産党中央事務局機関旧趾、中国共産党中央特科機関旧趾などがある……

于勇によると、静安区には現在、赤色革命の跡地・遺跡が105カ所あり、その数は上海各区の上位に位置している。建党100周年を迎え、静安区は第1陣の重要な赤色資源認定・設置作業を完了した。記念碑が11枚、記念プレートが4枚設置された。

「静安区の赤色資源は、マルクス主義の伝播地、革命指導者の足跡地、中国共産党中央の初期機関集積地、初部党章の誕生地、大衆運動の策源地という『五地』の特徴を持っている。」于勇氏によると、静安区はこれまで、これらの貴重な赤色資源を非常に重視し、相次いで静安区党の誕生地発掘宣伝活動修繕改造指導グループを設立し、静安区赤色資源保護利用活動合同会議制度を確立し、赤色文化の伝承・発揚に対する手配・指導を強化してきた。

静安区は2019年7月より、「赤色遺跡の保護、赤色遺伝子の伝承、赤色ブランドの構築」という3大行動を開始し、赤色文化ブランドの構築に力を入れている。展示から会場、書籍からルートまで、静安区での赤い遺伝子はより丁寧に守られ、より深く受け継がれている。

静安区の赤色物語を伝承する

舞台の上で、幕を開けると、舞台の下では熱烈な拍手に包まれ、観客は涙をこぼした.。静安区は2021年、第2回党大会の歴史を語る赤色戯曲『輔徳里』を編纂し、全国の五省・十城の巡回公演を終え、多くのファンを獲得した。若い観客は「党史の中で血を沸かす命を見た。その真心に感動された」と感想を語った。

640 (1).jpg

『輔徳里』のスチール写真(2021年4月22日撮影)。撮影:新華社の記者・劉穎

シチュエーション党コースの革新も、静安区の赤色文化伝播の大きな特徴である。近年、静安区では『足跡:赤色序曲~出発点・ゆりかご~』『刻印・青い夢』『痕跡・赤色使命』『足印・赤色夜明け』などの没入式シチュエーション党コースが、それぞれ中国労働組合書記部旧趾、上海毛沢東旧居陳列館、劉長勝旧居陳列館、第3回党大会後の中央局機関歴史記念館などの赤色のランドマークの現場に上演され、赤色の追迹から見学、体験、教育を一体化としたモデルへと「華麗な変身」が実現できた。

于勇によると、静安区は2020年からさらに5本の赤色人気ルートを次々と打ち出し、地域内の多くの赤色ランドマークを繋がっている。参加者は赤色の歴史の中を歩くことで、上海市という都市と静安区という市街地が持つ赤色の奥深さをより生き生きと、より深く理解できるようになっている。

「今年はほかにも、一連の動画を発表する予定がある。例えば、特別ドキュメンタリー映画『輔徳里1922』、『輔徳里』ハイビジョン演劇映像、『永遠の旗~百年党章の赤色歴史~』党章の特集映画などがある。区委員会党学校はさらに20コマの短時間党コースを丹念に制作し、心を込めて党章の知識と物語を語り、党章教育のテーマ教室、インタラクティブ授業を構築している」と、于勇は言う。

静安区での活動をやり遂げることは

最善の伝承である

赤色遺伝子を受け継ぎ、赤色血脈をつなぐには、静安での活動が大切である。上海市のビル党建設歴史は長い。静安区はビル党建設の発祥地の一つである。

「われわれは資源の優位性と先発の優位性に依拠し、経済・社会の最も活発な所に焦点を絞り続け、赤色資源を掘り下げ、赤色遺伝子を伝承し、強力な赤色生産力を活性化させ、実践の中で新鮮な経験を絶えず積み上げ、静安区での党建設の活動が新たな成果を収めるよう推進している」と、于勇は述べた。

640 (2).jpg

7月4日に撮影された静安区市街地。撮影・肖鳴亮

2021年、静安区南京西路にある恒隆広場は年間税収「100億棟」に格上げされた。この成績は国内でも類を見ないもので、上海市のビル経済、本部経済の発展に新たな活力を与えた。于勇は、「これは高水準の党建設でビル経済の質の高い発展をけん引した生き生きとした事例だ」と述べた。

 

現在、恒隆広場の「両新」党組織はビル連合党委員会に「格上げ」され、ビル事務委員会が商業圏と街区の管理を支援するように発展した。恒隆広場22階の「景観スポット」には党大衆サービスステーションが入居している。ビル党建設とビル経済の「互恵共生」は、ビルの企業誘致・安定化の「金看板」となっている。今年5月末、恒隆広場が率先してオフライン営業を開始できたのは、ビル連合党委員会および南京西路街道党工作委員会の協調・支援によるもの。

 

新型コロナと闘う大上海防衛戦の中、静安区には14斤(1斤は500g相当)痩せ、一面白髪になったコミュニティ幹部、責任を果たし、住民から「いいね」を獲得した末端幹部、さらには皆の志を一つにし、感染症に立ち向かう党員ボランティアたちがいた。

「心を一つにし、力を合わせることで、感染症に打ち勝つ強力な合力が形成される。」于勇によると、「静安は組織によるけん引を核とすることを堅持し、全面的に『コロナ禍対策の壁』を築く。グリッド化された党建設体制・メカニズムの優位性に基づき、感染症期間中に255の臨時党支部を設立し、要所を守り抜き、堅塁を攻略し、人々の健康と安全を守るために、197人の機動隊員を重点区域に派遣した」という。

「失われた時間を取り戻し、発展のリズムを引き上げよう」と、静安区は現在、新型コロナ感染対策と経済・社会の発展を効率的に統一的に計画している。プロジェクト進捗の取り組み、投資の安定化、市場安定の取り組み、消費の安定化、モデルチェンジへの取り組み、利益の安定化など、7つの取り組み・安定化活動が着実に推進されている。このほど、世界的に有名なブランドが静安区に入居し、静安区が「国際消費都市モデル区」を持続的に深化させていることを示す生き生きとした表現である。

第2回党大会で初めて党の統一戦線思想が提起された後、静安区の統一戦線活動も一貫して活発である。静安区は知力が密集し、人材が豊富であるという統一戦線の優位性を十分に発揮し、党委員会・政府の科学的な政策決定、正確な施策に力強いサポートを提供している。例えば、全国の新たな社会階層人士による統一戦線活動実践革新基地「静安新聯心」活動ブランドを構築し、全市で率先して民族宗教事務を「一網統括」プラットフォームに組み入れた。民間企業、特に小規模・零細企業の資金調達の難しさ、資金調達費用の高さなどの問題解決を支援する面では、「政府・協会・銀行・企業」の4者協力メカニズムの構築を推進し、一連の融資サービスの政策で、民間企業が新型コロナ感染症の衝撃に対応し、難関を乗り越えるのを全力で支援したと于勇が紹介した。

 

現在、上海は偉大な建党精神を深く発揚し、人民都市理念を実践し、世界的影響力を持つ社会主義現代化国際大都市の建設を加速している。于勇は次のように述べた。静安区は常に「赤色静安」の遺伝子・血脈をつなぎ、常に「国際的静安、卓越した市街地」の建設目標に照らし、各方面の仕事を着実に行い、上海の発展の大局の中で静安区にしかるべき貢献をしなければならないという。