新時代の中国は、美しい山河、美しい生活、そして一人一人の心の中に美しさがあふれている。
2024年、全国重点都市PM2.5平均濃度は2013年より約60%低下した。今年上半期、全国住民の一人当たり可処分所得は前年同期比で実質5.4%増加し、国内総生産の伸び率を「上回った」、子供1人あたり毎年3600元の育児補助金を満3歳まで支給するなど、一つ一つの心温まる数字と、一つ一つの優遇政策は、「中国式現代化は民生を重んじる」ことを生き生きと示している。
習近平総書記は、「全方位での内需拡大、断固とした改革深化と開放拡大の推進、科学技術革新と産業革新の深い統合・発展推進、重点分野におけるリスクの継続的な予防・解消、複数の措置による民生改善の保障などに重点的に取り組む」と強調した。
7月30日に開催された中国共産党中央政治局会議は、「経済の質の効果的な向上と量の合理的な成長実現を推進し、人の全面的な発展と全体人民が共同富裕への確固たる一歩を踏み出すことを推進する」と指摘した。
中国式現代化は全体人民が共同富裕を実現する現代化である。「現代化建設の成果がより多く、より公正にすべての人民に恩恵をもたらすようにする」ことは、中国共産党の人民に対して厳かに約束した公約である。
生活の美しさ――
発展の中で民生を保障・改善する
中国共産党中央政治局会議は、「民生保障活動を着実に実施しなければならない」、「恵民政策をしっかりと実行し、対象群別・分類別社会救助体系を健全化しなければならない」と指摘した。
安徽省宿州市泗県に住む鐘さんは生まれた時に血友病と診断され、終身治療が必要だった。地元の民政部門は彼のために最低生活保障を申請し、医療保険部門は彼のために大病保険と医療救助の手続きを行った。これにより、彼の医薬費用の約95%は清算することができる。
現地の民政部門は鐘さんと似たような状況にいる困窮世帯への継続的な支援を実施し、衛生健康、医療保険などの部門と連携し、生活困難な人々の基本的生活を保障している。
トップレベルデザインをしっかりと行い、民生建設を重視する。
中共中央弁公庁と国務院弁公庁が印刷・配布した「民生の更なる保障と改善に力を入れ、大衆の緊急事項・困難・悩み・要望の解決に関する意見」は、社会保障のカバー範囲を効果的に拡大し、低所得層の包括的支援を強化するなど10項目の重点措置を打ち出し、民生建設のより一層の公正性、均衡性、普遍性、アクセス可能性の促進を求めている。
家事、国事、天下の事、人民により幸せな生活を送らせることが最優先課題である。現在、民生分野の政策措置は全国民に加速的に恩恵をもたらしている。
2025年1月1日から、法律法規の規定に基づいて出産した満3歳以下の乳幼児に対し、満3歳まで、子供1人あたり毎年3600元の補助金を支給する。今年、3歳未満の乳幼児を対象とした保育サービスの定員数は1000人あたり4.5人に引き上げられ、全国で66万の包摂性保育サービス定員数が新規追加された。現金で補助し、包摂的な保育サービス定員数を増やし、より多くの家庭が「育てる負担に耐え、保育先を見つけられる」環境を整える。
今年、国家財政が負担する都市・農村住民の全国基礎年金の月間最低基準をさらに20元引き上げた。長期介護保険の加入者は約1億9000万人に達している。老年医学科が設置された二級以上の公立総合病院は2024年末現在、全国で6000カ所以上に達した。年金が引き続き引き上げられ、養老サービスシステムが絶えず健全化され、「老後生活」がより美しくなっている。
「第14次五カ年計画」期間中、中国は新たに114カ所の国家地域医療センターを配置し、密着型県域医療共同体と都市医療連合体の建設を全面的に推進し、良質な医療資源のバランスのとれた配置と地方への展開を促進した。全国の基本医療保険加入率は95%で安定している。大衆の「診療難・診療費用が高い」という問題をさらに解決し、医療改革を持続的に深化させ、大衆の医療アクセスがより便利になっている。
都市部の老朽化団地改造を深く推進する。2024年には、5万8000カ所の都市部老朽化団地の改造工事が新規着工し、分譲型保障型住宅、保障型賃貸住宅、公共賃貸住宅など180万戸(室)が建設・調達された。住宅は大衆の基本的なニーズであり、生活の質に関わっている。中国は今年、老朽化団地の改造と保障型住宅などの建設を引き続き推進し、より多くの人が安心して住める環境を整える。
今年、中央財政はすでに困窮者救助補助資金1566億8000万元を支給し、地方政府が最低生活保障、特別困窮者救助扶養、臨時救助などの事業をしっかりと行うよう支援する。5月末までに、都市と農村の最低生活保障の平均基準はそれぞれ1人当たり毎月799.7元、594.9元だった。これにより、生活困窮者の基本的生活を保障し、民生保障の基盤と最低ラインを守っている。
民生に小事はなく、細部にまで心を配ることが大切である。民生改善事業は雑然としているが、大衆の緊急事項・困難・悩み・要望から手がかりと突破口を見定め、可能な限りの努力と力相応の実施を堅持しつつ、大衆に恩恵をもたらし、民心を温め、民意に従った民生措置を絶え間なく打ち出し、人民大衆により多くの獲得感、幸福感、安全感を実感させなければならない。
共同富裕の美しさ――
貧困脱却堅塁攻略の成果を強化・拡大し、全体人民の共同富裕を推進する
中国共産党中央政治局会議は、「貧困脱却堅塁攻略の成果を強化・拡大し、大規模な貧困への逆戻りや貧困化の発生を防止しなければならない」と指摘した。
あるタケノコ農家の貧困脱却と富裕化の物語は、中国が貧困脱却堅塁攻略の成果を強固に拡大し、農村の全面的な振興を推進する取り組みの成果を反映している。
今年9月、雲南省昭通市塩津県の81万ムーのシホウチクがタケノコ収穫シーズンに入る。柿子鎮新生村のタケノコ農家の李興珍さんは、自宅の200ムーの竹林で忙しく働きながら、「毎年40万元の収入があって、とてもうれしい」と話した。彼女の家はかつて貧困世帯だったが、今はこの「グリーンバンク」のお陰で貧困から脱却し富裕化を実現した。
村の貧困脱却産業は李興珍さんのような農村女性の就業を増やし、村民の収入増加をさらに促進している。塩津県の水田易地貧困扶助移転安置区(貧困層のための移転定住地区)では、鯤鵬人的資源有限公司のプラスチック造花工場の作業場が忙しく、この工場はすでに周辺から数百人の雇用を創出している。
中国は大規模な貧困への逆戻りと貧困化を防止する最低ラインをしっかりと守っている。6月末現在、全国で累計680万人以上の監視対象者の貧困への逆戻り・貧困化リスクの安定的な解消を支援した。
貧困脱却堅塁攻略の勝利は終点ではなく、共同富裕の起点である。貧困脱却の成果をいかに持続可能な発展の原動力に転換するか、このことこそが最大の試練である。
「輸血」を「造血」に変える。現在、全国832の貧困脱却県はいずれも2~3の特色ある主導産業を育成・形成しており、総生産額は1兆7000億元を超え、貧困脱却人口の3/4近くが新型農業経営主体と利益連結メカニズムを確立している。分類別に支援産業の質向上と効果の拡大を推進し、全国の貧困脱却労働力の就業規模は3283万3000人に達している。貧困脱却産業は富裕化産業に転化しつつある。
「今後、我々は監視支援の質と効果を高め、産業就職支援をしっかりと実施し、貧困脱却地域が主導産業に焦点を当てて産業チェーンの延伸・補完・強化を推進するよう指導し、農民との連携・利益還元メカニズムを改善し、産業の全チェーンにおける質向上・効果拡大と全段階における農民との連携・収入増加を推進する」と、農業農村部のマルダン・ムガイティ(麦爾丹・木蓋提)副部長は述べた。
共同富裕は貧困の撲滅だけでなく、地域の調和的発展にも表れている。ここ数年来、中国は東西部の協力を深化させ、協力を通じて不足点補強・市場開拓・増加量向上を図り、西部の発展能力を向上させている。「山と海の情」の千里を越える支援から、「産業飛び地」の協同?ウィンウィンに至るまで、優位性の相互補完と調和的発展の美が絶えず書き上げられている。
「協力支援の実効性を高め、東西部協力・定点支援・村駐在支援・社会動員という『4つの力』の役割を発揮し、特色ある産業の向上・産業クラスターの構築・消費支援の効率向上・労務協力の質向上という『4つの行動』を持続的に展開しなければならない」とマルダン・ムガイティ副部長は述べた。
共同富裕は都市・農村住民の所得格差の縮小にも表れている。
あれこれ論じるよりも、要は農民の収入を増やすことが肝心である。今年の中央1号文書は、2025年の「三農」活動について体系的な配置を行い、あらゆる手段を講じて農業の利益増加、農村の活力増加、農民の収入増加を推進することを明確にした。今年上半期、農村住民の一人当たり可処分所得は11,936元で、物価変動要因を除いた実質増加率は6.2%となり、都市住民を明らかに上回った。
都市と農村の間における要素の自由な流動を促進することは、都市と農村の格差を縮小し、都市と農村の融合発展を実現する上で重要な役割を果たしている。都市部の定住制限をさらに開放・緩和し、移住を希望する出稼ぎ農民工の都市定着を推進する。2025年までに50%の県に「教育共同体」を設立し、県域における義務教育の質の高い均衡ある発展を力強く効果的に推進することを目指す。都市と農村の発展の不均衡・不十分という問題を段階的に解決し、数々の政策措置が着実に実行に移されている。
貧困脱却堅塁攻略の全面的な勝利から共同富裕の着実な推進に至るまで、中国経済の「美」は単一次元の線形成長ではなく、効率と公平の両立をよりよく実現することであり、数億の人民の顔に浮かぶ幸福の笑顔そのものである。
生態の美しさ――
環境は民生そのもの、青山は美そのもの、青空も幸福そのもの
今年は「豊かな自然は金銀ほどの価値がある」(通称「両山」理念)が提唱されてから20年目の節目を迎える。「両山」理念は中国を変え、世界に影響を与え、国民一人一人の生活も変えてきた。
6月30日午前、寧夏回族自治区中衛市の烈日が照りつける騰格里(トングリ)砂漠で、百人以上の作業員が最後の一列となるブラシ状ネットロープの草格子(砂漠固定用の麦わら格子)の設置を完了した。これにより、騰格里砂漠南東縁の長さ約153キロメートル、幅10~38キロメートルの砂漠固定・締め切り帯の締切作業が完了した。これは、寧夏地域内の騰格里砂漠締め切り事業の全面完了を意味する。
中衛市国有林業総場の正高級林業技師である唐希明氏は、「これは砂漠化対策に携わってきた数世代の努力の成果だ」と感慨深げに語った。締め切り帯は黄河上流の生態的障壁をしっかりと築き、砂漠の拡大を著しく抑制し、砂塵の発生源を減らす。
環境は民生そのもの、青山は美そのもの、青空も幸福そのものである。ここ数年来、中国は青山が見え、清水が見え、郷愁が覚えられる美しい中国の建設に努めており、自然の美しさが永遠に続くよう努めてきた。
――森林・草原・砂漠の総合対策を強化し、山々をより青く、草原をより緑に。
森林面積は拡大を続けている。2024年、全国で造林面積444万6000ヘクタール、土壌浸食からの復元面積6万4000平方キロメートル、草植栽・改良面積322万4000ヘクタール、砂漠化・岩石砂漠化からの復元面積278万3000ヘクタールの新規増加を達成した。中国は森林被覆率が25%を超え、森林蓄積量が200億立方メートルを超えており、人工林の面積は世界一に安定している。
草原の緑化増加・拡大が著しい。「第14次五カ年計画」以来、中央財政による草原保護・復元支援への総投資額は1100億元に達し、年間平均草原復元面積は4600万ムーを超え、年間草原齧歯類・害虫防除面積は1億ムーを超え、草原の生草総生産量は5億5000万トンを上回っている。
「山・水・森林・田畑・湖・草原・砂漠の一体化した保護と体系的対策を堅持し、協同を強化し、大規模な国土緑化行動を持続的に推進して新たな成果を収めなければならない」と、国家林業・草原局生態保護修復司の劉麗莉副司長は述べた。
――水資源の保護を強化し、水をより清く、魚をより多く。
川や湖の水が清浄化している。今年上半期、長江・黄河・珠江・松花江・淮河・海河・遼河の7大流域及び西北諸河、西南諸河と浙江・福建地域の河川の水質優良(Ⅰ~Ⅲ類)断面の割合は90.4%で、前年同期比0.1ポイント上昇した。モニタリング中の209の重点湖(ダム)のうち、水質優良(Ⅰ~Ⅲ類)湖・ダムの数は78.0%を占めていた。
水界生態系が回復している。「第14次五カ年計画」以来、全国7大流域で水界生態系のモニタリング調査を展開し、長江流域を重点として水界生態系の状況評価試行を展開し、水界生態系の健康を核心とする指標システムを構築し、地方が保護・修復に力を入れるよう誘導した。例えば、長江の特産種「刀鱭」(エツの一種)は30年ぶりに長江中流区間及び洞庭湖区域まで遡上するようになった。
水利部の呉文慶総計画師は、「『一河一策』を堅持し、川・湖の生態環境を改善し、水源涵養と水環境・土壌環境の保全を強化し、河川のグリーン生態回廊を構築し、河口とデルタ地帯の生態系保護を推進し、河川流域の生態系機能を強化しなければならない」と述べた。
――大気汚染防止を強化し、空をより青く、雲をより白く。
大気の質は全体的に改善しつつある。今年上半期、339の地級市以上の都市の平均大気質優良日数の割合は83.8%で、前年同期比1.0ポイント上昇した。全国のPM2.5平均濃度は32.1マイクログラム/立方メートルで、前年同期比2.4%低下した。京津冀(北京市・天津市・河北省)、長江デルタなどの重点地域の大気質平均優良日数は引き続き上昇しており、より多くの青空が人々の視野に現れている。
省エネ・炭素削減が着実に推進されている。2024年、全国のエネルギー消費原単位は前年同期比3.8%低下し、石炭消費の割合は53.2%に低下し、2012年と比べて15ポイント以上減少した。推計によると、中国の森林・草原による年間炭素吸収量は二酸化炭素換算で12億トンを超え、世界トップとなっており、カーボンニュートラル目標達成の「バラスト」となっている。中国の省エネ・炭素削減行動は、世界の炭素排出削減とグリーントランスフォーメーションに大きく貢献している。
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国を治めるには不変の原則があり、人民の利益こそが根本である。「人民の獲得感は確かなもの」。人民を中心とすることを堅持し、発展は人民のために、発展は人民に依拠し、発展の成果は人民が共有するという原則を堅持してこそ、中国の発展は確固たる立場と正しい方向性を得るとともに、温もりある基調と尽きることのない力を得ることができる。
「改革に力を入れ、発展を促進するのは、結局のところ、人民により良い生活を送らせるためである」。
(本紙記者の徐靖、邵玉姿、孫海天が取材・執筆に参加)