1月16日の昼下がり、「CP静安」1階のアトリウムは、黒山の人だかりとなった。観衆の視線がステージに注がれる中、白いドレスを身にまとった女優が静かに登場。ドイツ語版ミュージカル『エリザベート』の代表曲である「私だけに(Ich gehör nur mir)」を披露すると、その伸びやかで力強い歌声が会場全体に響き渡り、割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こった。
このイベントは、昨年12月24日のフランス語版『ロミオとジュリエット』のフラッシュモブに続き、CP静安と上海文化広場が再びタッグを組んで実現した「夢のコラボレーション」である。今回は、ドイツ語版『エリザベート』のコンサートバージョンによるフラッシュモブが披露された。ステージには同作の男女主演がサプライズで登場し、上海の観客の目の前で、約20分間にわたり劇中の名曲を歌い上げた。
居合わせた観客の一人は語った。「本当に驚いた。まさかショッピングモールでミュージカルが聴けるなんて。たった20分だったが、すっかりファンになっている!さっそくチケットを買って、上海文化広場へ観に行こうと」。
『エリザベート』は、シシィの愛称で知られるオーストリアの皇妃エリザベートの波乱に満ちた悲劇的な運命を描いた、ドイツ語ミュージカル屈指の傑作である。劇作家ミヒャエル・クンツェと作曲家シルヴェスター・リーヴァイのコンビによって生み出された本作は、シシィとトートとの生涯にわたる愛憎劇を、ハプスブルク家の興亡とともに描き出す。
1992年9月3日、オーストリア・ウィーンのアン・デア・ウィーン劇場は歴史的な瞬間を迎えた。まさにこの地で、ドイツ語版ミュージカル『エリザベート』が世界初演の幕を開けたのである。それ以来、この「疲れを知らない皇妃」の足跡は世界14カ国に及び、上演回数は累計9000回を突破。1200万人を超える観客を熱狂させてきた。
中国においては、2014年12月に上海文化広場の「年末大型公演」として初上陸を果たした。40公演に及ぶ連続上演は、中国の観客にドイツ語版ミュージカルという芸術の扉を開いただけでなく、数多くのファンにとって、かけがえのないドイツ語ミュージカルの「伝説的な名作」として心に刻まれている。そして2026年1月14日から25日にかけ、『エリザベート』のコンサートバージョンは、再び年末年始の大型公演として上海文化広場の舞台に帰ってくる。ドイツ語ミュージカルブームが再燃することは間違いないだろう。
主催者は、「『文化を商圏へ』という革新的なアプローチを通じ、世界クラスの芸術IPを市民の日常的な消費空間に持ち込むことで、文化コンテンツの力で消費を活性化させたい」としている。商業エリアとの連携は、文化消費の新たなシーンを切り拓くだけでなく、市民が日常のショッピングの中で「詩情とロマン」に巡り会う場を提供する。商業・観光・文化の融合を通じて、消費の活力を高める原動力となるだろう。