ゲスト
邱中寧
背景紹介
今年は上海国際科学技術革新センター落成10周年になります。教育において、上海市は絶えず都市資源を頼りに、科学教育モデルを革新し、「双減」政策の中で科学教育の足し算をしっかりと行い、都市の発展を後押ししてきました。今回は、静安区教育局の邱中寧局長に、科学教育に対する静安区の思考や、地域科学教育に関する構想について紹介していただきます。
司会者:
今年は上海国際科学技術革新センター落成10周年になります。教育において、上海市は絶えず都市資源を頼りに、科学教育モデルを革新し、「双減」政策の中で科学教育の足し算をしっかりと行い、都市の発展を後押ししてきました。今日は、静安区教育局の邱中寧局長と一緒に、科学教育に対する静安区の思考を検討し、地域科学教育に関する構想を歓談しようと思います。邱局長、こんにちは。
邱中寧:
こんにちは。
司会者:
現在の基礎教育がイノベーションを重視している理由について、お伺いしてもよろしいでしょうか。
邱中寧:
基礎教育の大きな価値は、子供の好奇心を守り、それを興味に変え、次第に趣味や志に成長させ、未来に無限なる可能性を実現させることにあります。科学技術革新はこの目標を実現する重要なルートです。静安区は従来次のような実践と努力をしてきました。中国国際工業博覧会に参加した唯一の基礎教育機関になり、「静安夢想星」等の研究を行い、教育部の重点課題である「学生創造力の活性化:発達都市部の教育の高度変革の実践性に対するエビデンスに基づいた研究」を申請して、どのように学生の創造力を向上させ、学生の創造力を育成するかなどについて研究しました。今後、科学普及教育、科学技術革新教育は静安区が学生の創造力を向上させる重要な手がかりとなります。「一体両翼」、統一的な計画・設計を通じて、科学教育システムを充実します。
司会者:
先ほど、現在の科学技術革新教育は静安区が重点的に推進している方向だとおっしゃいましたが、現在、主にどのような形式でこの活動を実行しているのか具体的に紹介していただけませんか。
邱中寧:
静安区の科学技術革新カリキュラムは「一体両翼」の形で体系的に設計されています。「一体」とは、中小幼学校を主体とし、国家カリキュラムの実施に基づいた科学教育を指し、同時に学校に関連するテーマの科学教育イベントも含まれています。「両翼」とは、二つの校外教育イベントを補充することを指します。一つ目はイベントセンター、少年宮や少年科学ステーションを頼りに開設されている科学教育カリキュラムです。ここ2年、イベントセンター、少年宮、少年科学ステーションに登録された学生総数はすでに2万人を超えています。同時に、静安区は複数の科学技術革新校外基地を設立し、周辺の学校をリードして、科学教育を着実に推進しています。二つ目は、半実体の静安数理学院を設立し、トップ人材育成を目指します。数理学院は昨年9月にオープンし、第1期に自発的に応募した59人の高校生を対象に人工知能関連カリキュラムのハイレベルオンライン・オフライン研修を行い、興味のある一部の学生がプロジェクト研究に直接参加することを支援しました。この学生たちはすでに第1期の学習を終え、非常に良いフィードバックをくれました。また、静安区は前後して数学、物理、化学、生命科学、エネルギー、情報技術、航空宇宙など多くの分野をカバーするそれぞれの特色のあるイノベーションラボを70カ所余り建設しました。地域の学生全体に向けて、一部のイノベーションラボを統一的に計画し、地域の共同建設・共有メカニズムを模索しました。「静安区の中小学生個性化学習予約プラットフォーム」を通じて自主予約を実現し、勉強に余力のある高校生のために学習・発展に助かる新たなルートを切り開き、イノベーションに趣味を持ち、イノベーションにおける才能を持っている学生のために多様なイノベーション実践・体験プラットフォームを構築し、学生が放課後に学習・研究する新たな空間を開拓し、地域イノベーションラボの更新・レベルアップした発展を段階的に実現していきます。
司会者:
確かに、科学普及教育の土壌が肥沃になってこそ、種がよりよく芽生えて成長するでしょう。では、具体的なカリキュラムにおいて、科学技術革新の内容に偏った改革調整やカリキュラムの革新を行っていますか。
邱中寧:
静安区の科学教育はカリキュラムに集中し、学生の特長に注目しています。学校は深く統合した教育を展開し、情報科学技術、労働技術、自然、科学、道徳法治など複数のカリキュラムを深く統合・改善し、国家カリキュラムを学校を基盤として実施する新しい取り組みを形成しています。静安区は教育の組織形式と運営メカニズムを絶えず革新してきました。例えば、市西中学校の「思考広場」、新中高等学校の「歩く教室」などは、行政クラスと教育クラスの併存などの複数の教育組織形式を改善した上で、教師の手配、クラス編成、学生管理、教育施設関連などの資源と条件を統一的に計画し、クラス移動教育の実施や、学科間融界カリキュラムの開発と実施に保障を提供しました。風華中学校は「DIS+カリキュラム」建設を通じて、理科総合実験室と学園インフィニティ学習空間で学生にデジタルと学科の融合を体験させました。また、学生クラブ、放課後サービス、科学技術祭、春と秋の社会実践考察、弁論大会などのカリキュラムやイベントに科学技術教育を組み入れ、内容が豊富で形式が多様な科学技術テーマ模索とイノベーションイベントを展開している学校もあります。
司会者:
静安区には、どのようなプラットフォームで学生に科学技術革新と実践について勉強し、接触するチャンスを提供していますか。
邱中寧:
静安区は「夢想星」というプロジェクトの研究を開始し、科学技術革新夢の家を拠点として、さらに静安区の青少年科学実験衛星の「静安夢想星」科学技術革新教育サービスプロジェクトを推進し、2026年に静安区の青少年が独自的に開発・設計した科学実験衛星を発射する計画があります。地域は「アイディアドリームファクトリー」、「少年科学院」のイノベーションプラットフォームの機能・役割を十分に発揮し、静安区の学生に個性化されたイノベーション実践プラットフォームなどを提供しています。科学技術の「クラウド教室」、「クラウドイベント」、「クラウド展示」などのシリーズイベントを展開し、総閲覧数と関心度は延べ2.5万人を超えました。静安区は同時に自然博物館と市北ハイテクパークなどの所属優位性を利用し、科学館と学校の協力、企業と学校の協力を強化し、学生に科学技術がもたらす無限なる魅力をその場に臨んで感じさせています。巨匠教室の院士講座、科学普及大講堂など巨匠と向かい合った聴取と交流のイベントを通じて、科学に対する関心と興味をさらに深化させ、科学の種を徐々に成長させ、成熟させます。
司会者:
ここ2年間、科学技術革新系のコンテストが続出していますが、学生が多くの時間をかけてこのようなコンテストに参加することは、奨励していますか。これらのコンテストはどのような面で子どもを鍛えることができると思いますか。現在、静安区ではこのタイプのコンテストが行われていますか。
邱中寧:
静安区は学生がさまざまなコンテストに参加することを積極的に奨励しています。受賞するかどうかにかかわらず、コンテストに参加する過程だけでも子供にとって非常に強い励ましになります。これは自発的に実践し、社会に参加し、徐々に志を育成する形式であり、基礎教育が育成している核心的価値でもあります。静安区は積極的に学生が各種科学技術コンテストに参加するように組織・指導し、各種科学技術特長を持つ学生のために展示・鍛錬し、競って向上するチャンスを提供して、学生の成長を励ましています。オンラインとオフラインを結び付ける形式を採用して、毎年市レベルの各種科学技術コンテストに約50回組織・参加しています。上海市青少年科学技術イノベーションコンテスト、上海市百万青少年が「未来の科学技術のタマゴ」を競う選考イベント、上海「創客新星」コンテスト、長江デルタ人工知能オリンピックコンテスト、上海市青少年科学思考・革新チャレンジイベントなど、区レベルの競技・選考イベントを40回余り実施し、延べ1.5万人近くの学生が参加しました。世界頭脳オリンピック選抜試合、VEXロボット世界選手権中国決勝戦プレーオフ、「グローバル自然の日(GNHD)」グローバル決勝戦などのイベントを含め、選手たちを組織して全国及びそれ以上の科学技術大会に参加させました。ここ2年間、静安区の成績は常に上位にランクインしており、毎年グローバル決勝戦に進出したチームがありました。5月に行われた第45回世界頭脳オリンピック決勝戦で、上海市大寧国際小学校の出場チーム2チームがそれぞれ「人工知能装置」課題と「ロック・タイムスリップツアー」課題の小学校部門で優勝しました。
司会者:
詳しくお教えいただき、ありがとうございます。では最後に、未来の科学技術革新教育を推進する鍵はどこにあると思いますか。
邱中寧:
教師は学生を育成する鍵です。地域は研究・訓練に立脚し、教師の素質を絶えず向上させ、各学期の科学技術総指導員定例会を組織し、各科学技術コンテストイベントを適時に配置し、徹底しなければなりません。「テーマ講座、実践、事例検討、見学考察、フォーラム交流」などの形式を採用して、科学技術教育理論と知識の開拓、カリキュラム建設と教育・教学、学生トレーニングとコンテスト指導、イベントの組織・企画などにおいて、開放的で多元的な研修イベントを実施して、学校の科学技術教師のポスト能力を積極的に向上させます。優秀な教師陣を育成してこそ、科学教育がポジティブな循環に向かうことができ、静安区の科学普及教育、科学革新教育をより着実に、より豊かに、より生き生きにすることができます。
司会者:
邱局長、貴重なお話をありがとうございました。静安区教育の未来の方向についてとても勉強になりました。では、今日のインタビューはここまでにします。ありがとうございました。